陥没乳首の手術のメリットとデメリットとは(複数ある手術方法の比較)

それでは陥没乳首の手術のメリットとデメリットについてご紹介していきましょう。

◆陥没乳頭(陥没乳首)の種類

へこんでいる乳首、真ん中がくぼんでいる乳首、平坦な乳首のことを「陥没乳頭」「陥没乳首」といいます。陥没乳首の原因には、母乳をつくる器官である乳腺と、乳管という母乳が通る管の発達障害が起こることによって発症します。陥没乳頭の種類には、大きく2つの種類があり。「真性」と「仮性」の2つに分かれます。

真性陥没乳首・・・・指で引っ張っても外に出てこない場合
仮性陥没乳首・・・・指で引っ張ればすぐに出てくる場合

仮性の場合は、ある程度の在宅でのケアで前に出すことができ、改善することができるため、手術をしなくても良い場合が多いですが、真性の場合は、ケアをしても出てこないため、手術の可能性が高くなります。

◆陥没乳頭(陥没乳首)の問題点

<陥没乳頭(陥没乳首)の問題点とは>

・雑菌の繁殖
・乳腺炎

乳首の見た目が不自然なだけでなく、真性の場合は、授乳ができません。仮性の場合は授乳が可能なこともありますが、真性と同様、へこんでいる部分に汚れがたまり、雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態になります。そのため、乳腺炎という病気になるリスクが非常に高くなります。

乳腺炎とは、乳腺が炎症を起こす病気です。放っておくと乳腺の正常な部分まで破壊され、うつ伏せに寝られないほど激しい痛みをともないます。また寒気がし、発熱するため、日常生活にも大きな支障をきたします。さらに、膿がたまって乳房内に膿瘍(のうよう)ができた場合は、切開して排膿(はいのう)する処置が必要になります。以上の理由から、陥没乳頭は必ず治療しておいたほうがいい症状です。

◆陥没乳首の手術は何科を受診すればよいの?

陥没乳頭の治療は、3つの外科に相談すると良いでしょう。私は、若い時には形成外科で、妊娠中には産婦人科でお世話になりました。

<陥没乳首の治療外科>

・形成外科
・産婦人科
・美容クリニック

陥没乳頭の治療は、形成外科や美容クリニックをはじめ、産婦人科でも相談が可能です。
陥没乳頭の症状には個人差があるため、治療方法も異なってきます。クリニックや形成外科での治療は、主に手術が中心になりますが、

・症状の度合い
・体質
・妊娠中

等、総合的な視点
手術が必要かどうかも含めて判断してくれます。ただし、そのためにはドクターとしっかり話し合うことが必要です。妊娠中の方は、産婦人科で助産師によるおっぱいマッサージの指導やアドバイスもしてもらえるので、オススメです。

◆陥没乳首の手術方法とは

陥没乳首の手術は、仮性と真性によって、手術方法が少し異なります。

1.真性陥没乳首の治療法

<真性陥没乳頭の治療法>

・乳管を温存する(母乳機能を保つ)方法
・乳管切除法

の2種類があります。乳管を完全に切断できれば陥没は改善されますが、乳汁が分泌できなくなりますので、出産前の女性の場合には、乳管を温存する方法がいいでしょう。

2.仮性陥没乳頭の場合

<仮性陥没乳頭の治療法>

仮性の場合は、状態を緊急を要した時のみ、手術を施しますが、基本的に手術をしなくても治る場合が多いため、多数のケアの方法がありますので、その度合いによって再発を防ぐ方法を選定していきます。 手術による方法も傷跡が目立つことはなく治療することができ、、手術後の授乳も可能です。手術自体は、局所麻酔を行う方もおり、静脈麻酔で手術すると痛みも感じずに受けることができます。

◆陥没乳頭の料金の目安

陥没乳頭の手術料金は、保険適用される場合と自由診療によって料金が異なります。

<料金例1>

保険適用料金:4~6万
自由診療  :30~50万

<料金例2>

治療時間:約60分
通院:3日後にガーゼ交換、1週間後に抜糸通院
保険適用料金:5万
自由診療:400000円(税別)

陥没乳頭が原因で授乳に障害があると思われる場合、または授乳が困難であると思われる場合に保険が適用されます。手術の費用は保険適用で4~6万円。自由診療で30~50万(病院や症状によって異なりますので、あくまで目安とお考え下さい。

陥没乳頭の治療において保険が適用される場合の対象となるの年齢は、40歳未満で、今後授乳の予定がある方のみ限定されます。陥没乳頭が原因で授乳に障害がある方やまたは授乳が困難な方の場合に保険が適用されます。最終的には医師の診断によりますので、相談するようにしましょう

◆陥没乳頭の治療の流れ

治療の流れは下記ような流れで進行していくのが一般的です。

<診療の流れ>

1.問診・医師による診察
2.手術方法の選択
3.局所麻酔
4.手術
5.安静
6.帰宅
7.経過観察

まず、患者様ご自身で問診票に記入していただき、バストの専門教育を受けた看護師が詳細をうかがいます。その後、医師が診察を行います。陥没乳首の状態やご希望にもとづき、医師が手術方法をご提案頂けるので、予めにしっかり確認するようにしましょう。手術前には局所麻酔を行い、手術を行っていきます。手術時間は目安30分程度です。手術後は、30分程度、リカバリールームで安静にして頂き、院することなくそのままお帰りいただけます。帰宅後は、24時間体制で緊急サポートを受けつけており、定期的に経過観察を行っていきます
。又クリニックや外科によっては、1年に1度、定期検診を実施している所も存在し、この定期検診では、乳房専用の検査機器等、乳首や胸等美容面や健康状態に問題がないか、入念にチェックし、乳がん検診も行われます。

◆手術の主な概要

手術時間  :約30~50分

麻 酔   :局所麻酔
入院の有無 :なし
通院    :手術前 :1回 手術後:2~3回

手術後の状態:腫れや内出血は、2週間前後で治まります。痛みは、1?3日程度で治ります。痛み止めが処方されますので、ご安心ください。

傷 跡   :時間の経過とともにほとんどわからなくなる。
術後の生活:シャワーは、2日後から入っても問題ございません。入浴は、1週間後から可能
運動に関しても目安1ヶ月程経過後であれば問題ございません。

◆手術のメリットデメリットとは

それでは、陥没乳首における手術には、どんなメリットデメリットがあるのでしょうか?

<手術のメリットとは>

・陥没した乳頭が外に出てくるので、衛生面が改善されます。
・乳腺炎になりにくくなります。
・切開線は乳首の付け根なので目立ちにくいです。

陥没乳頭は、くぼみに汚れが溜まりやすく、乳腺に細菌が入ると乳腺炎を起こすしやすくなりますが、こうした点が改善され、衛生的になります。又人に見られても恥ずかしさ等も改善されます。

<手術のデメリットとは>

・うちに引っ張られ力が強い場合、元に戻ってしまう事があります。
・切開を行うため、しばらく痛みを伴います。